WALL -CRAFT&ANTIQUE- | 作家さんの手しごとを集めたセレクトショップ

- マイケル・ケリー(Michael Kelley)
アメリカニューヨーク州生まれ。
2002年、アルフレッド大学卒業(アメリカ、ニューヨーク州)。
2006年、金沢美術工芸大学修士課程卒業(石川県金沢市)。
2009年、MICHAEL KELLEY CERAMICS工房築窯独立。
2013年、ひがしやま荘「AKASHU-若手作家工芸品と古道具の販売店」開店(石川県金沢市)。

- マイケルさんは、名峰白山を望む静かな住宅街の工房で、くらしの器の「Michael Kelley Ceramics」と、植木鉢に特化した「MUDDY PUNK」、二つの屋号で製作をしておられます。
「Michael Kelley Ceramics」では、ベトナムの伝統的な陶芸手法 ”安南手” をベースに、細かな下絵を針で削ることで、呉須(青色の顔料)の美しく滲む風合いが生み出されていました。中でも結晶釉の作品は、ところどころに小さな白銀の結晶がのり、呉須の青を美しく引き立てます。初めて工房にお伺いした時に見た、残雪の白山を思い起こさせる清らかさです。
「MUDDY PUNK」は、様々な意匠と、様々な釉薬を組み合わせた、植木鉢に特化したブランドです。”安南手”を取り入れた作品もありながら、食器としては扱いづらい溶岩釉の作品もあり、「Michael Kelley Ceramics」とは違うマイケルさんの作品を楽しむことができます。

- 2つのラインに共通するのは繊細さです。マイケルさんがアメリカで育った影響もあるのかもしれません。作品に多く見られる燭台は、日本で生まれ育ったものには馴染みの薄い生活用具でしょう。キャンドルが食卓と共にある文化圏で、丁寧に扱わなくてはならない、そして、際立った透明感や、釉薬の発色の美しさは、九谷焼きに使われる磁器土の中でも、最も白さの際立つ土で作られているためだそうです。
そういえば、お昼にご一緒した近くのラーメン屋さんも、お薦めただいたスイーツのお店も、宅地のなかで探すような、何故ここにこんなに美味しいお店があるのかと言わんばかりの、手間を惜しまない隠れた名店でした。そうした職人気質は、加賀らしいと言えるのかもしれません。繊細な工芸の産地で、手間を惜しまず作られたマイケル ケリーさんの作品をお楽しみいただければと思います。
WALL店主