-商品説明-
HOPI (ホピ) 族 アンティークのカチナドール
マストップ・カチナはサード・メサにしか現れない、セカンド・メサのシバクツィーナSivaktsinaと対をなす存在です。
ソヤル祭(冬至期間のお祭り)の最終日翌日に北西からやってきて村に駆け込むと、白黒の短い杖で、犬たちを打ち、おどけたしぐさで酋長のキバに向かって中にいる人たちやお互いに裏声で話をします。
彼らは女性たちの中に猛然と飛び込み、後ろから肩をつかむと、交尾を示すジェスチャーをして生命の誕生を促す、豊穣のエネルギーや雨や雪の潤いを象徴する存在です。
子供から年配者までその場にいるすべての女性に声をかけるまでこの動作を繰り返し、恥ずかしがり屋な女性でさえ、この抱擁を避けることはありません。
マストップ・カチナの特徴をよく表現した一品で、体の前面と背面に手が描かれています。何かを持っていた痕跡はなく、少し前かがみで自立しています。
若干の柄の欠けがありますが、非常によい状態の物です。
サイズ: 横幅 約 15 cm / 奥行き 8.0 cm / 高さ 34 cm (羽根含む)
素材;木、顔料、皮、羽
ニューメキシコ州 サンタフェ adobe galleryの鑑定書付
【カチナとは】
カチナドール(カチナ)はネイティブ・アメリカンのホピ族がつくる精霊の人形です。
カチナと呼ばれる精霊は万物に宿ると考えてられていて、信仰の対象であり、その数は300とも400とも言われています。
ネイティブ・アメリカンには様々な部族があり、中でも“平和の民”という意味のホピ族は、アリゾナ州の北東部に暮らし、地球や世界の仕組みについて壮大な予言を伝え、現在でもあえて文明を遠ざけた地区を守っています。
彼らの生活を支えるのは農耕です。厳しい乾燥地帯にあって、太陽や月、風雨や雲などの自然現象を神聖なものとし、動植物の中に精霊を見、自然のサイクルに合わせた“忌み日”に従う生活は、辺境で暮らす知恵ともいえます。そして、自然のサイクルをともにする禁忌に沿った暮らしに、節目の儀式が重要であることは想像に難くありません。そこに登場するのがカチナなのです。
豊かな四季に恵まれた日本の節句は、七草(1月7日)、桃(3月3日)、菖蒲(5月5日)、笹(7月7日)、菊(9月9日)、など、四季折々の植物とのむすびつきが強く、人形はお雛様と五月人形のみですが、ホピ族では、乾燥に強いトウモロコシが神聖視されていて、様々な儀式に使用されます。そして、一年の主要な12の儀式の半数以上にカチナが登場しています。
広大で厳しい乾燥地に生きるホピ族では、年間を通して行う様々な儀式は今でも大切にされています。
1月の終わりや2月の初めに行われるPOW AMU祭では、精霊たちを村に迎えるお祝いをして、新しい年の豊作を祈ります。一方、夏至の後に行うNIMAN祭は、冬至から夏至まで滞在する精霊たちに季節の終わりを告げる祭りです。精霊たちを見送るとともに、その年の最初の収穫物に感謝を捧げるのです。この祭りの16日間は、故郷を離れている家族も集うのが習慣で、ホの人々にとって大切な行事となっています。
こうした季節の儀式(祭り)で精霊から力を授かり、その精神をコットンウッドの木(ポプラの一種)に彫り込んで、カチナドールとして子孫に送る古い習慣は生きていて、現在ではお土産用や、世界中のコレクターに向けたカチナドール作家も活躍しています。
著名なアーティストの作品もあり、海外からも引きのあるコレクターアイテムともなっているカチナドールですが、カチナはそれぞれに意味や役割があります。そして、見えない力を分け与えてくれるだけでなく、共に楽しむ友人であり、苦難を退ける守り神となってくれます。
ご自身と引き合うカチナを直感で探してみて下さい。
ピンと来るものがあれば対話をし、その後でカチナの意味や役割を知ることをお勧めします。
ご自身に必要なものが分かるかもしれません。
※カチナドールはズニ族も作りますが、精霊の種類が少なく人に近い姿形をしています。
WALLではホピ族のアセンションの儀式に参加する奇しき御縁があり、ホピ族のカチナを扱っています。