笠原 鉄三 / 麻の葉カット水晶 (KZ_011)
- 販売価格
- 88,000円(本体80,000円、税8,000円)
- 型番
- KZ_011
- 在庫状況
- 1
数量：
-商品説明-
こちらの作品は、ゆるく弧を描く”みずかん”入りです。また興味深いことに、光を当てますと、石上面3分の一から下部上方にかけて、斜めに半円面状の”みずかん”が確認できます。これらはカットとは関係なく、触れても分かりませんし、一見しただけではわかりません。
研磨の工程は、手製のペンチでちぎり取る”かっこみ”に始まり、磨き砂の粒子を細かくしながら、最後に”青粉”と言われる酸化クロムで磨く４段階に分かれます。”みずかん”は、”青粉”の前の”アレキサン（細かい磨き砂）”の段階で分かればまだ良し、”青粉”の磨きを進めてやっと分かるものも多く、長らく職人泣かせとされてきました。
しかし、ここ数十年に及ぶ石ブームによって石の成長過程への理解が深まり、石の目(結晶の成長方向)の手がかりであり、悠久とも思える成長の痕跡である”みずかん”を愛でるのも石の楽しみ方の一つとなりました。
複雑な彫刻が可能なことから分かるように、石英は分子の結合力が強固なため、劈開（一定方向への割れやすさ）はありません。となりますと、面状の”みずかん”は双晶の痕跡なのかもしれません。麻の葉カットを復刻された笠原哲三氏が、”みずかん”を認めてなお、麻の葉紋様の研磨を完成されたのは、この石の面白み故とも思えます。
美しい唯一無二のカットの内に、果てない時間の痕跡を止めるこの麻の葉カットの水晶は、手にした者にしか分からない密かな楽しみを与えてくれると思います。 WALL店主
※研磨職人の使用する用語を””としました。
【サイズ】直径 約 44 ｍｍ／ 高さ 約 26 mm ／ 重量：50.2 ｇ
【原産国】 ブラジル
【 笠原鉄三 (1918−1999) 】
幼少期に甲府の研磨業に丁稚奉公にはいり水晶の研磨と出会う。太平洋戦争従軍を経て、戦後に研磨業として独立した。口伝のみとなっていた、水晶に麻の葉紋様をほどこす技術を数年の試行錯誤の末に確立し麻の葉カットと命名。1980年、国の卓越した技能者表彰（現代の名工）受賞。
〜 麻の葉カット 〜
石の表面に「麻の葉紋様」をほどこすカット。研磨作業がモーター駆動となる以前にあったとされ、口伝のみの幻のカットと言われていたが、笠原氏により復刻、命名された。笠原氏以前と以後のものが同一か否かを知るすべは今のところない。
〜 麻の葉紋様 〜
麻の葉は古来より神聖なものとされ、神事に用いられてきました。その麻の葉をかたどった伝統的な吉祥紋が麻の葉紋様です。麻は育つのが早く丈夫で、健康や成長の象徴であったため、産着の柄にもよく用いられてきました。外枠となる六角の亀甲紋は長寿と繁栄を示し、その六角は六つの正三角で構成されています。正三角形は古代から力と安定の象徴とされ、魔よけの三角紋として世界各地で確認されています。また麻の葉紋様は、陰陽の調和を示し邪気を祓うという籠目紋も内包しています。
麻の葉紋様は、形状の美しさの中に幸せへの願いが何重にも込められた紋様となっています。
【 取扱い注意点 】
水晶は鉄や強化ガラスよりも硬い物質ですが、水晶同士の接触は欠けの原因となりますのでご注意下さい。万が一欠けた場合、同じカットは再現困難となりますのでご了承ください。
The hemp leaf cut crystal KZ_011
diameter 44 mm x height 26 mm / weight; 50.2 g
Crystal from Brazil
He started his career as a small child in a polishing business in Kofu.
After serving in the Pacific War, he became an independent polisher.
The hemp leaf cut is a cut in which a "hemp leaf pattern" is applied to the surface of the stone. It is said to have existed before the polishing process was motorized, and was said to be a phantom cut that was only handed down orally.
After several years of trial and error, he established the technique of applying hemp leaf patterns to crystals.
He revived and named the technique as “hemp leaf cut” that had ceased to exist. There is no way to know at this time whether or not the pre-Kasahara version and the post-Kasahara version are the same.
In 1980, he was awarded the "Contemporary Master Craftsman" award from the Japanese government for his outstanding skills.
Hemp leaves have been considered sacred since ancient times and Hemp has often been used as a pattern for maternity clothes as a symbol of health and growth because it was fast growing and strong.
Crystal is harder than iron but it will break when you bump a crystal against a crystal.
Please note that it is difficult to reproduce the same cut if a chip should occur.
研磨の工程は、手製のペンチでちぎり取る”かっこみ”に始まり、磨き砂の粒子を細かくしながら、最後に”青粉”と言われる酸化クロムで磨く４段階に分かれます。”みずかん”は、”青粉”の前の”アレキサン（細かい磨き砂）”の段階で分かればまだ良し、”青粉”の磨きを進めてやっと分かるものも多く、長らく職人泣かせとされてきました。
しかし、ここ数十年に及ぶ石ブームによって石の成長過程への理解が深まり、石の目(結晶の成長方向)の手がかりであり、悠久とも思える成長の痕跡である”みずかん”を愛でるのも石の楽しみ方の一つとなりました。
複雑な彫刻が可能なことから分かるように、石英は分子の結合力が強固なため、劈開（一定方向への割れやすさ）はありません。となりますと、面状の”みずかん”は双晶の痕跡なのかもしれません。麻の葉カットを復刻された笠原哲三氏が、”みずかん”を認めてなお、麻の葉紋様の研磨を完成されたのは、この石の面白み故とも思えます。
美しい唯一無二のカットの内に、果てない時間の痕跡を止めるこの麻の葉カットの水晶は、手にした者にしか分からない密かな楽しみを与えてくれると思います。 WALL店主
※研磨職人の使用する用語を””としました。
【サイズ】直径 約 44 ｍｍ／ 高さ 約 26 mm ／ 重量：50.2 ｇ
【原産国】 ブラジル
【 笠原鉄三 (1918−1999) 】
幼少期に甲府の研磨業に丁稚奉公にはいり水晶の研磨と出会う。太平洋戦争従軍を経て、戦後に研磨業として独立した。口伝のみとなっていた、水晶に麻の葉紋様をほどこす技術を数年の試行錯誤の末に確立し麻の葉カットと命名。1980年、国の卓越した技能者表彰（現代の名工）受賞。
〜 麻の葉カット 〜
石の表面に「麻の葉紋様」をほどこすカット。研磨作業がモーター駆動となる以前にあったとされ、口伝のみの幻のカットと言われていたが、笠原氏により復刻、命名された。笠原氏以前と以後のものが同一か否かを知るすべは今のところない。
〜 麻の葉紋様 〜
麻の葉は古来より神聖なものとされ、神事に用いられてきました。その麻の葉をかたどった伝統的な吉祥紋が麻の葉紋様です。麻は育つのが早く丈夫で、健康や成長の象徴であったため、産着の柄にもよく用いられてきました。外枠となる六角の亀甲紋は長寿と繁栄を示し、その六角は六つの正三角で構成されています。正三角形は古代から力と安定の象徴とされ、魔よけの三角紋として世界各地で確認されています。また麻の葉紋様は、陰陽の調和を示し邪気を祓うという籠目紋も内包しています。
麻の葉紋様は、形状の美しさの中に幸せへの願いが何重にも込められた紋様となっています。
【 取扱い注意点 】
水晶は鉄や強化ガラスよりも硬い物質ですが、水晶同士の接触は欠けの原因となりますのでご注意下さい。万が一欠けた場合、同じカットは再現困難となりますのでご了承ください。
The hemp leaf cut crystal KZ_011
diameter 44 mm x height 26 mm / weight; 50.2 g
Crystal from Brazil
He started his career as a small child in a polishing business in Kofu.
After serving in the Pacific War, he became an independent polisher.
The hemp leaf cut is a cut in which a "hemp leaf pattern" is applied to the surface of the stone. It is said to have existed before the polishing process was motorized, and was said to be a phantom cut that was only handed down orally.
After several years of trial and error, he established the technique of applying hemp leaf patterns to crystals.
He revived and named the technique as “hemp leaf cut” that had ceased to exist. There is no way to know at this time whether or not the pre-Kasahara version and the post-Kasahara version are the same.
In 1980, he was awarded the "Contemporary Master Craftsman" award from the Japanese government for his outstanding skills.
Hemp leaves have been considered sacred since ancient times and Hemp has often been used as a pattern for maternity clothes as a symbol of health and growth because it was fast growing and strong.
Crystal is harder than iron but it will break when you bump a crystal against a crystal.
Please note that it is difficult to reproduce the same cut if a chip should occur.
